ADHDブロガーの池田ラスカル@rasukarurunです。私は障害者手帳を持っていますが、一般雇用でアルバイトをしています。今年も自分で確定申告(還付申告)の手続きをしました。
アルバイトは確定申告の必要はないのでは?と思う方もいると思いますが、義務がない人・会社の年末調整を受けた人でも、確定申告をすることで払い過ぎた所得税が戻ってくることがあります。
例えば私のように
- 非正規雇用で、社会保険料を自分で払っている
- 障害者手帳を持っているのに会社に申告していない
- 医療費を毎月払っている
こんな人は、確定申告をしなければ損です!
今回の記事では、フリーターの私が郵送で確定申告(還付申告)をしたやり方や、障害者控除を受ける方法ついてまとめました。
障害者手帳があると税金が安くなる(障害者控除)
私はADHD(注意欠如多動性障害)と不安障害があり、精神障害者保健福祉手帳を3級を取得しています。精神障害者保健福祉手帳の場合、2級・3級なら「障害者控除」、1級なら「特別障害者控除」が受けられます。
「控除」とは「ある金額から一定の金額を差し引く」という意味。所得税や住民税の金額は、所得によって決まっています。所得から「控除」で金額を差し引くことで、税金が安くなります。
特別障害者控除:40万円
参考リンク No.1160 障害者控除|国税庁
働いてる人が障害者控除を受けるには?
障害者雇用で働いている場合
会社に申告しているので、会社の「年末調整」で障害者控除が適応される。
一般雇用で働いている場合
勤務先に提出する「扶養控除等申告書」で申告すれば、障害者控除が適応される。
扶養控除等申告書って何?と思われる人もいるかもしれませんが、勤務先から必ず提出を求められているはずなので、見覚えはあると思います。
クローズ就労で、会社を通さずに障害者控除を受けるには?
クローズ就労(障害があることをオープンにせずに働く)をしている場合、会社に申告していない人も多いと思います。私も障害者手帳を持っていることは隠しており、勤務先に提出した扶養控除等申告書の「障害者」の欄にもチェックをしていません。
しかし、勤務先を通さなくても障害者控除を受ける方法があります。それは「会社の年末調整の後に自分で確定申告(還付申告)をする」という方法です。
今回私は、この還付申告で障害者控除を受ける手続きをしました。
障害者控除と合わせて、自分で払った医療費や国民健康保険料も申告。これにより、毎月給与から引かれていた所得税が還付されます。
その年の所得税の還付申告は、翌年の1月1日から受け付けています。(確定申告は2月16日~3月15日の期間内)過去5年までさかのぼって申告することもできます。
自分で障害者控除の申告をしたら会社にばれる?
翌年に前年度の確定申告をした場合は、勤務先にバレる可能性があります。
税金の額に調整が入り、5月から6月にかけて税務署から勤務先に「住民税決定通知書」が届くからです。その書類の障害者控除の欄にチェックが入るため、経理担当者がしっかり確認すればバレてしまいます。
参考リンク 住民課税決定通知書、住民税課税証明書の見本(PDF)
絶対に会社にバレずに障害者控除を受ける方法
絶対に会社にバレたくない!という場合、申告の時期をずらさなくてはいけません。
「6月以降に2年前の申告をする」という方法を取る必要があります。例えば、2018年分の確定申告は2020年の6月以降、そして2019年の確定申告は2021年の6月以降にすることになります。
確定申告の時期は過去5年までさかのぼれます。翌年度に還付申告をせず、2年後の6月まで待ってから申告すると、勤務先に通知は届きません。しかし、少しややこしい手続きになります。
私は面倒なので、会社にバレても良いと思い、時期をずらさずに確定申告をしています。会社に通知が届く可能性はありますが、経理担当の人や役員の人が他の社員にばらさなければ良いと思っています。
毎年障害者控除の申請を自分でしてきましたが、一度も会社から追及されたことはありません。
郵送で行う確定申告・還付申告のやり方
確定申告書の提出の方法は3つあります。
- 税務署に持参する
- 書類を税務署に郵送する
- e-Taxでデーターを送信する
→マイナンバーカード・ICカードリーダライタ(もしくはマイナンバーカード対応スマートフォン)が必要
私は例年通り、郵送で手続することにしました。
郵送に必要な書類は、国税庁のサイトの確定申告書等作成コーナーで作ることが出来ます!とても簡単でした。
医療費集計フォームで医療費控除の金額を計算する
医療費控除を受けるための計算をします。病院やクリニックで支払った医療費が少ない人でも、一般医薬品の合計金額が一定の額を超えると「セルフメディケーション税制」で控除が受けられます。
「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」は、併用することが出来ないので、どちらかを選択することになります。
どちらの方が得かは、支払った医療費の額によって変わります。詳しくは下記のリンクをご覧ください。
参考リンク “セルフメディケーション税制”と“医療費控除”どっちがお得!?|LEADERS online
私は今回「医療費控除」を選択しました。
まず確定申告書類を作成する前に、医療費集計フォームで医療費の金額を計算。これを先にやっておけば、確定申告書の「医療費控除」の入力の時に、読み込むだけで反映され、とても楽です。
国税庁のサイトから医療費集計フォームをダウンロードして、表計算ソフトで開きます。2018年(30年度)にクリニックや薬局で貰った領収書を見ながら、1つずつ入力します。
Amazonや楽天市場で購入した医薬品(ロキソニンや目薬)のお金も控除の対象になります。サイトの購入履歴で領収書が表示できるので、それを見ながら入力するだけ。
ちなみに保険適応で支払った医療費は、市町村から届く「医療費のお知らせ」ハガキを添付すると、明細を入力する必要はないそうです。
源泉徴収票と、控除に必要な書類を用意する
源泉徴収票
会社員やフリーターの場合、勤務先から源泉徴収票が発行されます。給与額や税金の徴収額が記載されています。この源泉徴収票を見ながら「確定申告書」の作成画面で入力し、提出の時も書類に添付します。
1日でも働いたら必ず勤務先からもらえるので、もらってない場合は申請して発行してもらいましょう。
私は本業のアルバイトの他に、日雇い労働をしました。そのため、日雇い派遣会社にも申請をして、源泉徴収票を送ってもらいました。この場合、源泉徴収票は2枚になります。
控除に必要な書類
私の場合は「医療費の領収書」「国民健康保険料の金額が記載されたハガキ」を用意しました。
人によって受けられる控除や必要書類は違うので、詳しくは下記のリンクを参照してください。
参考リンク 申告書に添付・提示する書類|国税庁
確定申告書作成コーナーで書類を作成する
※手順は人によって異なります。あくまで「私の場合」の行った方法なので、参考程度に読んでください。
国税庁のサイトから「確定申告書等作成コーナー」に入ります。画面の案内に沿って提出方法などを選択。私はアルバイトの収入のみなので、「給与・年金専用」の作成画面を開きます。
1.給与所得の入力
源泉徴収票を見ながら、記載されている内容を入力。私の場合は勤務先が2か所なので、源泉徴収票2枚分を入力しました。
2.医療費控除の入力
医療費集計フォームで入力しておいた医療費明細を読み込みます。データーが確定申告書に反映され、控除される額が自動で計算されます。
3.社会保険料控除の入力
会社では雇用保険しか入っていないため、自分で払った国民健康保険料等を領収書を見ながら入力します。
4.障害者控除の入力
障害者控除にも忘れずにチェック。
「特別障害者以外の障害者」にチェックをすると、自動で金額が反映されます。
あとは「入力終了」を押して、画面の指示に従って住所氏名やマイナンバー、還付金の受け取り口座を入力し、保存します。
障害者控除でいくら戻る?
還付されるお金(フリーターの私の場合)
確定申告しない→0円
医療費・健康保険料の控除のみ受ける→3786円
障害者控除を受ける→17569円全然違う。
— 池田ラスカル❄️ADHDブロガー (@rasukarurun) February 9, 2019
印刷、必要書類を台紙に張り付け、郵送
セブンイレブンのネットプリントを利用して書類を印刷。印刷された台紙に、源泉徴収票の原本と、本人確認書類を貼り付けます。これで完成。医療費領収書は添付しなくて良いそうですが、自宅での保管義務があります。
簡易書留で郵送したため、450円分切手を貼って投函しました。平成30年度分の確定申告は2月16日~3月15日の期間内に手続しなければいけませんが、還付申告は1月1日から受け付けています。
書類に問題がなければ、口座に還付金が振り込まれます。
まとめ
今回の記事は、あくまで私の場合の確定申告のやり方を紹介しました。還付申告について知らない人や、難しくて避けている人に対して「簡単にできるよ」という雰囲気だけでも伝わって欲しいと思って書きました。
確定申告は難しくて面倒なイメージがありますが、お金について無知な私でも、やってみると意外と簡単にできます。
非正規雇用で少ないお金でやりくりしている人、障害者手帳を持っているけど職場に申告していない人、毎月高い医療費を払っている人などは、還付申告で控除を受けましょう。払い過ぎた所得税は、確定申告(還付申告)をしなければ損をしたまま。毎月給与から引かれている所得税も、年間にすると結構な金額になります。
必要書類は人によって違うので、不安な人はとりあえず「源泉徴収票」「医療費や社会保険料の領収書」「マイナンバーカードか通知書」「身分証明書」などを持参して、税務署に行きましょう。
確定申告の時期は、各地に確定申告会場が設置され、相談コーナーも設けられます。混雑していますが、税務署の方がとても丁寧に教えてくれるので、きっと大丈夫です。
参考リンク
No.1160 障害者控除|国税庁
平成30年度確定申告特集
“セルフメディケーション税制”と“医療費控除”どっちがお得!?|LEADERS online