【ADHD薬物治療体験談⑤】転院先でコンサータが処方されるまでの話

 

ADHDブロガーの池田ラスカル(@rasukarurun)です。この記事は、大人になってからADHD(注意欠如多動性障害/注意欠陥多動性障害)を診断された私が、3年間の薬物治療を振り返っています。

前回の記事はこちら

【ADHD薬物治療体験談④】ストラテラを2ヵ月で諦めた理由

コンサータ錠を処方してもらうために、転院を決意する

ストラテラカプセルを80mgに増量して、2ヵ月が経過しました。

前回の記事でも書いたように、不注意症状への効果を実感出来ずにいました。口渇や早朝覚醒の副作用もあったため、120mgに増量するのを断念しました。

1日でも早く、ADHDの症状を楽にしたい…。そう思った私は、もう一つのADHD治療薬であるコンサータ錠を試すために、主治医に相談に行きました。
2015年当時、日本国内でADHD治療薬として認可されていたのはストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)・コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩)のみでした。

池田ラスカル

不注意症状が良くなりません。バイト先でも言われたことがすぐに頭から抜けたり、バスの乗車中に停車していることに気付かず、降り過ごしてしまいます。コンサータ錠を試したいです。

主治医

うちのクリニックでは、認可されていないのでコンサータ錠は処方できません。コンサータの治療を希望する場合は、転院していただくことになります。

コンサータ錠は、コンサータ流通規制委員会に登録された医師・医療機関にしか処方が認められていません。かかりつけのクリニックは対象外でした。

池田ラスカル

分かりました。自宅の近くで転院先を探したいので、紹介状を書いていただけますか?

そうお願いすると、主治医は快く紹介状と診断書を書いて下さりました。

主治医

こちらの書類を新しく受診するクリニックの医師に渡してください。転院先が決まるまで時間がかかるかもしれないので、薬は4週間分出しておきます。
急にストラテラを辞めたり減らしたりすると、大量が悪くなることがあるので、必ず転院先の医師に相談してくださいね。
また困ったことが合ったら、いつでも相談に来てください

この日は、紹介状と診断書の入った封筒と、4週間分の薬を受け取って帰宅しました。

―早く転院先を探さなければ!
―自宅の近くに、コンサータを処方してもらえるクリニックがなかったらどうしよう?

勢いのまま転院を決めて、焦る気持ちでいっぱいでした。

コンサータを処方してくれるクリニックを探す

 

翌日から、新しいクリニックを探し始めました。出来るだけ自宅から近く、予約が取りやすいクリニックを条件にインターネットで検索。サイトを見ても“大人の発達障害の治療ができるのか” “コンサータ錠を処方できる登録された医療機関なのか”分かりません。

もし受診をしても“うちではコンサータの処方は出来ません”と言われたら二度手間です。直接電話をかけて、確認することにしました。日雇いアルバイトの合間の休憩時間に、倉庫の裏でドキドキしながら電話を掛けたことを覚えています。

池田ラスカル

すみません、そちらのクリニックの初診の予約を取りたいのですが。

クリニックの事務員

はい。希望の曜日はございますか?

池田ラスカル

あの、コンサータという薬の治療を受けるために転院先を探しているので、処方することのできる医師の診察を受けたいのですが・・・

コンサータ錠は、コンサータ流通規制委員会に登録された医師しか処方できません。そのクリニックでコンサータ錠を取り扱っていることは把握していましたが、医師が複数在籍しているため、どの医師の診察を受ければ良いか分かりませんでした。

クリニックの事務員

薬を処方できるかどうかは、診察を受けていただく必要があります。

池田ラスカル

それは承知しています。ただ、コンサータ錠は登録された医師しか処方できない薬と聞いたので、その登録を受けている医師の診察を受けたいのですが…

クリニックの事務員

調べますので少々お待ちください。

保留音が流れ、5分以上待ちました。言いたいことがうまく言えないもどかしさを感じながら、不安な気持ちで待っていました。

クリニックの事務員

お待たせしました。A先生(仮)がコンサータの取り扱いができるので、A先生の予約を取りますね。

そして、1週間後の受診予約を取りました。

医師に伝えたいことを文字にまとめた

初診日までの1週間、医師に何を話そうか考える日々。自分のことを話すのが苦手な私は、パソコンで伝えたいことを文字に起こしました。
子どもの頃から、現在にかけて悩んできたこと、苦しんできたこと…。書き出しているうちに、失敗体験を思い出して、次々と気持ちが溢れかえりました。あっという間に5000文字を突破。さすがに全てを話すことはできないので、箇条書きにまとめて印刷し、受診に持っていくことにしました。

そして、新しいクリニックの初診日を迎えました。
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転院先の初診!あっさりとコンサータ錠が処方される

今までの小さな個人医院よりも、広々として清潔感のあるメンタルクリニック。受付や待合室には、椅子がいっぱいになるくらい沢山の患者さんがいましたが、とても静かです。そわそわしながら、クラシック音楽のBGMを聴いて心を落ち着けていました。

予約時間ちょうどに名前を呼ばれて、診察室に入りました。沢山の患者さんで混雑しているせいか、医師は慌ただしそうな様子。すぐに紹介状と診断書の入った封筒を渡しました。

医師

〇〇のクリニックで治療をされてたんですね。どうして転院されようと思ったのですか?

池田ラスカル

そちらのクリニックで、ADHDの治療としてストラテラカプセルを内服していたのですが、不注意症状が改善されませんでした。コンサータという薬を試したいと思ったのですが、そのクリニックでは取り扱っていなかったので…

医師

どのような症状がありますか?

池田ラスカル

仕事中に集中力が切れてぼーっとしたり…ミスしたり…

医師を目の前にしてうまく伝えられず、用意してきたメモも取りだせませんでした。

医師

うーん、疲れてきて集中力が下がるというのは、ADHDの症状とは違いますね。抗うつ剤の量が少ないので、増やした方が良いと思います。

うまく症状が伝えられないまま、医師は早口でどんどん話を進めていきます。どうしたら分かってもらえるのだろうか?焦りながら必死に言葉を探しました。

池田ラスカル

疲れている状況じゃなくても、最初から集中できないんです。例えば、人が話してる時に他のことに意識が飛んでしまい、話が聞けなかったり。あと、目の前に置いてあるものに気付かなくて、ずっと探したり。

医師

ああ、はい。そういうのは典型的なADHDの症状ですね。分かりました。コンサータですね、少し待ってください。

医師に伝わってホッとしたのも、つかの間。医師は、電子カルテでコンサータの薬品情報を検索し、投与量や副作用が書かれた添付文書を、慣れない様子で読み始めました。

医師

えーっと、コンサータは18mgから処方します。朝のストラテラは20mgに減らしますね。1週間分処方して様子をみます。体調が悪くなったら連絡してください。

池田ラスカル

はい。分かりました。

医師

それでは1週間後に予約しますね。

あっという間に診察が終わりました。

医師の診察への不安と、コンサータへの期待

 

待ち望んでいた診察は、わずか10分程度で終わりました。初診の診察で、新しい薬を出す場合、もっと時間がかかると思っていたので驚きました。

コンサータがあっさりと処方されたこと。そして、医師がコンサータを処方することに慣れてなさそうだったことに、若干の不安を感じました。コンサータの飲み方や、内服する時間、副作用などの説明もありませんでした。

しかし、そのあと薬局の薬剤師さんが丁寧に説明してくださいました。『薬の説明は薬剤師さんに任せてるんだな』と思うことで、納得しました。クリニックはとても混雑していたため、全ての患者さんに対応するためには診察時間が短くなるのも仕方ないのでしょう。

大人の発達障害のニーズは増加しているのに、受け皿である病院は不足しています。

不安と同じくらい、コンサータ錠を手に入れたことへの期待もありました。当時の私は、日雇いのアルバイトをしながら、飲食のアルバイトをしていました。その飲食店もすぐに辞めてしまい、派遣会社に登録して新しい仕事を探す日々。

仕事もなく、一人暮らしでお金もなく、不安定な生活でした。アルバイトに行くたびに、ADHDの症状に悩まされ、うまく働けないことへの劣等感で苦しんでいました。

ストラテラカプセルを2か月以上内服して、口渇や吐き気などの副作用にも毎日耐えていました。経済的にも、身体的にも、精神的にもギリギリの状態。そんな中で、コンサータの効果に期待するしか希望がありませんでした。

『少しでもADHDの症状を軽くしたい、普通に働けるようになりたい…』

そんな願いを込めて、コンサータによる治療を始めました。

続きの記事はこちら

【ADHD薬物治療体験談⑥】コンサータ18mgの効果は1週間しか持たなかった

参照リンク

 

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