最近、お気に入りの本について呟いたら、筆者の佐々木 正悟さんがリツイートしてくださりました!
とても嬉しかったです。
ADHDと切っても切り離せない「先延ばし」について書きたいと思います。そして、私の人生で一番役に立ったある1冊の本を紹介します。
<目次>
ADHD(注意欠如多動症/注意欠陥多動性障害)と先延ばしの関連は?
ADHDの人は、脳の報酬系の働きが弱いといわれています。
報酬系と先延ばしに大きな関係があるようです。
報酬系(とは、ヒト・動物の脳において、欲求が満たされたとき、あるいは満たされることが分かったときに活性化し、その個体に快の感覚を与える神経系のことである。
報酬系は、報酬を得られたときだけでなく「報酬を期待して行動している時」にも活性化しています。
(例)
・この課題が終われば週末は遊べる。期限までに課題を終わらせよう。
・この仕事が片付けば仕事で評価されてボーナスがもらえる。
・次の給与まで我慢すれば欲しいものが買えるから我慢しよう。
人は、先のことを考え、未来の報酬を期待して行動します。
しかしADHDの人は報酬系の働きが弱いため、報酬が遅れることを嫌ってしまうと言われてします。
要するに、すぐに報酬=快楽を得ようとしてしまうのです。
そのため「先延ばし」が生じます。
わたしと先延ばしについて…レポートが書けず大学留年
子供の頃から先延ばしに悩んできました。
夏休みの宿題は最終日になんとかやってそれでも終わらない、お風呂も明日の準備も親から怒られるまで動けない…。
それでもなんとかなるだろう、と子供の頃は思ってました。
大学生になり一人暮らしをするようになると、毎回レポートの提出はギリギリ。
実習が始まるようになれば、実習から帰宅後に毎日実習記録・レポートを書いて翌日に提出しないといけません。それでも、帰宅してすぐに書く気が起きない。
だらだらネットをして、気がつけば0時…なんとか手をつけてもすぐに集中力が切れて…。
結局寝不足のまま翌日実習に行ったり、未完成の実習記録を提出して怒られたり、休んだり、実習の準備が出来てなくて注意されたりしました。
その結果単位を落として留年しました。
“先延ばし”を主治医に相談
「やらないといけないと分かっているのにできないんです」
泣きながら心療科医に話して、結果は「実習のストレスによるうつ病」の診断。
抗不安薬を飲んでも良くならない。
子供の頃から先延ばしがあった私は「これはうつ病ではなくて、元々の性格が関連している」と実感しました。
ちなみにこの頃はまだADHDだと診断されていませんでした。
自己啓発の本を買いあさり…そしてある本と出会う
留年したことで「自分を変えなければ」と思い立ちました。
「自分を変える方法」とか「時間管理ができるようになる本」とか、そんな自己啓発本をAmazonで大量に買い漁りました。
また、掃除やレポート提出ができない悩みを改善させるために、「片付けの工夫」や「文章の書き方」などの本もたくさん買いました。
しかし・・・
いざ本が手元に届くと、数ページだけ読んでほったらかしたり、最後まで読んでも頭に入らなかったり…
(やっぱり自分ってダメだなぁ)と思っていた時に、ある本に出会いました。
この本が効果があった理由
① 心理的な分析がしてある。
どうして先延ばしをするのか?先延ばしをする時、自分はどんな心理状態なのか?どうすれば先延ばしを止められるのか?
とても分かりやすく書いてあります。自分の特徴や先延ばしをしてしまう時の心理状態に気付けます。「ああ、だからすぐに出来ないんだなぁ」と自覚することで、自分の意識が変わります。
② 具体的な方法が55個書いてあり、実行しやすい
具体的な「先延ばし対策」を55個に分けて書いてあります。
「自分の意識をどう変えればいいか?」という心理面へのアプローチと「どうしたらすぐに用事が片付けられるか」という行動面へのアプローチが書かれており、とても実行しやすいです。
55個あれば自分に合う方法・合わない方法があるのでお気に入りのページに付箋を貼って使っています。
たまに55個のタイトルを読み返すだけでも役に立つので、タイトルをコピーして壁に貼ってます。
ちなみに著者である佐々木 正悟さんの本は、「50の方法」バージョンもあります。
内容は似てます。
↓
本に出てくる、好きな言葉
この本の中で、好きな言葉があります。
「あとでやる」という気持ちの裏には、「あとでなら出来る気がする」「後でやった方が早くできるはず」という気持ちがあります。
でも実際はそんなことはありません。あとでやったところで自分の才能も状況もほとんど変わらない「いま」が再びやってくるだけです。
最初の1ページ目に書いてある文章です。
いつも読むたびに心にガツンときます。
この本で先延ばしがなくなりました!!!…と書きたいところだけど…
「 この本に出会ってから先延ばしもなくなって学業も仕事も恋愛もすべて順調です!人生が変わりました!」
そう書きたいところですが…
そんな進研ゼミの漫画みたいな都合のよいものはなく…実際、今でも先延ばしには困っています。
しかし、この本の助けはとても大きいです。
この本と出会ったのが学生時代。留年して、人生のどん底でした。
その後なんとか卒業して、就職できたのは、この本に出会えたからです。
今でも日常生活や仕事では困ることが多く…社会人になってからADHDと診断されました。まさか先延ばしにADHDが関係していたなんて、学生時代には気づきませんでした。
現在は通院し、ADHDの治療薬であるストラテラカプセルとコンサータ錠を内服しています。脳を覚醒させる効果のある薬です。
それでも…。
少しの工夫や努力で乗り越えられないところに、障害かそうでないかのボーダーラインがあるんだなと思います。
それでもこの本は自分を助けてくれる
私はこの本(いつも先送りするあなたがすぐやる人になる50の方法)をKindleでダウンロードしています。Fire タブレット を買ってからは、紙媒体の本は中古しか買ってません。
紙をめくるのは好きですが、Fire タブレット で読む電子書籍の方が安いし、部屋も本がごちゃごちゃせずすっきりします。
元々小説が好きで、部屋には本が大量にありました。
ただ、部屋の整理のために、1年前に引っ越した時にほとんどの本を売りました。
片付けが苦手なら物を捨てればいい!という発想です(笑)
でも、すべての紙の書籍を捨てたわけではありません。
何度も読み返したい本、本当に手元に残したい本だけを15冊ほど残しました。もちろんこの本も入っています。
本って、読んだ直後は「ああ、こうすればいいんだ」と思っても、すぐに忘れてしまいます。
なのでいつでも読み返せるように、この本を枕元の棚に置いています。文庫本だけでなく、kindleでもダウンロードしてfireで読んでます。
やらなければならないことと向き合った時に、ふとこの本のことを思い出して、読み返します。自分を助けてくれます。
★作者の佐々木正悟先生のブログはこちら→のきばメモ