ADHD(注意欠陥多動性障害/注意欠如多動症)の池田ラスカル(@rasukarurun| Twitter)です。名前を池田ラスカルから改名しました。
一人暮らしも8年目になりました。相変わらず散らかった部屋に住んでいます。部屋が綺麗だったのは、入居して1日目だけです。この先、何十年も一人暮らしをするであろう私。何十年もずっーと散らかった部屋に住み続けると思うと、危機感を感じました。
最近になって片付け方、収納法、断捨離の本を読んでいるのですが
「そもそも面倒で手がつけられない」
「“やり始める”までが異常に時間がかかる」
これが問題です。テクニック以前に、まずはこのメンタルの問題をクリアしなければならない…と思い、試行錯誤しています。
その結果、以前よりは片付いた部屋で生活できるようになりました。
昔はこんな感じでした。
酷いですね。今はここまで散らかってはいません。
今日の記事では「掃除・片付けをしたいのにやる気が起きず、手が付けられない時の対処法」について書きました。
私が実践して効果のあったものを3つ紹介します。
とりあえず5分だけ動く
脳の中央に位置する側坐核(そくざかく)と呼ばれる部位が、やる気を生み出しているといわれています。ADHDの場合、この側坐核の容積が小さいことが明らかになっています。そのため、なかなかやる気が起きません。
参照:「ADHDは脳の障害」最大規模の研究で確認|医療ニュース|Medical Tribune
この側坐核を刺激してやる気を出すには、とにかく「手や体を動かす」「作業をする」ことが大事だといわれています。ドイツの心理学者・クレペリンが提唱した、「作業興奮」という効果です。
何か作業をすることで、側坐核が刺激され、ドーパミンとよばれる物質が分泌され、やる気が起きます。
やる気が出るまで待つのではなく、とりあえず動くようにしています。
ハードルを下げるために、5分だけと決めてタイマーをセットしたり、手の付けやすい単純な作業(落ちてるゴミを拾う)からはじめます。すると、次第に気分が乗ってきて、30分以上続くことがあります。
とにかく動くしかないんですね。5分やっても気分が乗らない時もあるので、その時はいさぎよく諦めています。
音楽やラジオを聴きながらやる
音楽を聴くと覚醒する
私の愛読書である「先送りせずにすぐやる人に変わる方法 (中経の文庫)」で紹介されていた方法です。
音楽を聴くと興奮状態に入り、覚醒レベルが上がります。その時にやりたい作業をすれば、すんなりとすぐやることができるという訳です。
すぐやるコツは「覚醒レベルを上げる」こと。そして「やる作業を減らす」ことです。覚醒レベルの上がった状態で、別のことを始めてしまっては意味がありません。だから、覚醒レベルを上げると同時にやる作業を絞ることが大切です。
引用:佐々木 正悟 /著 『先送りせずにすぐやる人に変わる方法(中経の文庫)』2012年 KADOKAWA / 中経出版/刊 p156
これが、掃除との相性がすごく良い!
注意を音楽に向けることで掃除がはかどる
音楽を聴くことは覚醒レベルを上げるだけでなく、作業中に気が散ることを防ぎます。
ADHDの場合、気が散りやすいため、集中して作業を行うのが困難です。掃除をしていても、違うこと気を取られたり、頭に浮かんでしまいます。すると、掃除を放り出して別のことを始めてしまうことがあります。
Bluetooth(無線のイヤホン)で音楽やラジオを聴きながら掃除をすると、イヤホンから流れる音に注意力が向くため、掃除や片付けが苦になりません。
複雑な作業をする時や、新しいことを覚える時には、イヤホンから流れる音楽や音声は邪魔になります。しかし、掃除などの単純作業においては、作業を捗らせてくれます。
私も掃除や片付けをするときは、イヤホンをBluetooth接続して、何かを聴きながら作業をするようにしています。すると、作業が明らかに持続するようになりました。
Amazon Music で音楽を聴いたり、radikoでラジオを流したり、GYAO!でお笑い芸人さんのライブ配信を流したり、メンタリストDaiGoさんのニコニコチャンネル:で講座を聴いたりしています。
楽しみながら作業ができるので、不安やストレスがなくなります。
イヤホンの充電が切れるくらいまで作業が続くこともあります。その代わり、イヤホンの充電がなくなると、一気に動く気がなくなります。
掃除をするメリットをはっきりイメージする
毎日を過ごしていて、どうしても「面倒でやりたくないなぁ」と思うことがたくさんあります。どうしても手がつけられずに、投げ出すときもあります。
ADHDの人は、脳の報酬系とよばれる回路に障害があります。
「すぐに結果の出ないことに対して極端にやる気が出ない」「時間をかけることで得られるメリットよりも、目の前の快楽を選んでしまう」という傾向があります。
参照:「ごほうび、まだなの?」―ADHDの科学を子どもたちに説明する|ニュースセンター|沖縄科学技術大学院大学(OIST)
そんな時は「そもそもなぜ掃除をするのか?」という目的をはっきりさせて、頭の中で「今すぐに掃除するメリット」を具体的に思い浮かべます。
私の場合はこんなことを考えます。
- 今日寝る前に掃除をすると、明日は気持ちよく起きれる
- 部屋が片付いていると、趣味や読書がはかどる
- 部屋に友達を呼ぶことが出来る
- 無くなったものが見つかる
- 今日のうちに掃除をしておくと、休みの日にゆっくり休める
そして「掃除が終わった後の綺麗な部屋」をイメージします。すると「やりたくない」という気持ちが、少しづつ「やりたい」というポジティブな感情に傾きます。
報酬系が活性化するのは、必ずしも欲求が満たされたときだけではなく「報酬を得ることを期待して行動をしている時」にも活性化するそうです。
「行動することで得られるメリット」をイメージすることで、脳の報酬系が活性化され、やる気を出すことにつながります。
参考文献:苧阪直行 /著『報酬を期待する脳: ニューロエコノミクスの新展開 (社会脳シリーズ)』2014年 新曜社/刊
掃除や片付けのやる気が起きない時の、3つの対処法を紹介しました。
具体的な片付け方については、私もまだ悪戦苦闘しています。快適できれいな部屋で、毎日を過ごすことを目標に頑張ります。