ADHDのラスカルの手帳

四国在住/20代でADHD(注意欠如多動症/注意欠陥多動性障害)と診断/社会不安障害(対人恐怖症)/アルバイター

【ADHD雑記】鞄を置き忘れて泣いた話

 

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ADHD(注意欠陥多動性障害/注意欠如多動症)の池田ラスカルです。コンサータとストラテラで症状を抑えながら、アルバイトに通う生活をしています。そんなある日、出勤途中に駅に鞄を置き忘れるという出来事を起こし、完全にパニックになり、泣いてしまいました。

その日のこと、自分の頭の中を振り返っていきます。

<目次>

 

「置き忘れ」との戦い

私の人生は「忘れ物」との戦いでした。特に出かけた場所で「物を置き忘れる」ということが多くて、トラウマになっていました。いつも「敵は自分の頭の中」にいます。

「置き忘れない=荷物を体にくっつけておく!」という発想で、リュックサックやななめ掛けできるショルダーバックを愛用していました。

帰省の時、どれだけ長距離でも荷物が重くても、絶対に網棚に置かない!バスや映画館に行って、ガラガラで隣の座席が開いていても、荷物を手から離さない!

離したら最後、永遠の別れになってしまうからです。だから私は「移動」が苦手です。旅行も嫌いです。何故こんなに忘れっぽいのか、それはADHDの脳はワーキングメモリー(記憶の容量)が少ないことが原因です。

「ついさっきまでのこと」「今自分がしていたこと」を忘れてしまうのです。

記憶の玉突き事故

どうして私、片づけられないの?―毎日が気持ちいい!「ADHDハッピーマニュアル」という書籍を読んでいたら、ADHDの忘れっぽさをうまく表現した一文がありました。

 例えば、ADHDタイプは目の前のことをしている途中に他の要件・刺激が入ってくると、元々やってたことがすっぽり抜けてしまったりすることがある。 

 玉突き事故のように、新しい要件・刺激に押されて、タスク(仕事などやろうとしていること)がどんどん忘れられていくのだ。 

引用:どうして私、片づけられないの?―毎日が気持ちいい!「ADHDハッピーマニュアル」,P55

私が鞄を置き忘れるまでの行動

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①電車を降り、自転車を停めている駐輪場に到着する

②雨が降っていたのでレインコートを着よう

③レインコートを羽織るために、リュックサックを横のベンチに置く

④レインコートに着替えながら、頭の中では色々な事を考える(今日の仕事心配だな)(嫌いな人とシフト被ってないといいな)(昨日のこの前のミスは大事にならなかったかな…)

※この時点で、リュックサックを置いたことを忘れている。

⑤レインコートを羽織り、自転車に乗る

※真横のベンチに置いてあるリュックサックの存在は見えていない

⑥急いでバイト先まで向かう

⑦バイト先に到着。レインコートを脱いでいるときにリュックサックの存在に気付く

⑧どうしていいか分からずパニックになる

(盗まれたらどうしよう)(今から戻って取りに帰ってると遅刻する)(でもスマホとか貴重品とかあるし…)(どうして置き忘れたんだろう)(何故こんな失敗ばかりしてしまうんだろう)(もう帰りたい)

⑨ものすごく悲しい気持ちになり、泣く

⑩たまたま通りかかった先輩が助けてくれる

こんな感じです。鞄は無事に戻ってきましたが、自分が情けなくてたまりませんでした。この日は一日中落ち込んでいました。

 

常に目の前の物しか見えない狩猟動物

「周りが見えていない」と言われることがあります。まだADHDだと診断される前に、緑内障(視野が欠損する目の病気)を疑って、眼科で視野の検査を受けたこともあります。正常でした。

でもそのくらい周りが見えていない。目ではなく、脳が認識していないのです。この感覚も、『どうして私、片づけられないの?―毎日が気持ちいい!「ADHDハッピーマニュアル」』に分かりやすく書いてありました。

  ADHDは、基本的に「狩猟動物的」なタイプの人が多く、狩りのとき、獲物を狙って、それ以外が見えなくなるように、目の前の関心ごとへは徹底的に集中していても、ほかのことには全く関心がない。まんべんなく周囲に気配りし続けることが非常に苦手なのだ。

引用:どうして私、片づけられないの?―毎日が気持ちいい!「ADHDハッピーマニュアル」,P66

 狩猟動物、まさにそれです。この前、ADHDに向いている仕事に「狩猟」「ハンター」と書かれてあるのを見ました。狩猟や放牧をして暮らす原始時代に生きていれば、成功していたかもしれません。

そういえば私の祖父は狩猟が趣味で、よくイノシシや鹿を捕まえていました。遺伝…?

 

コンサータが効いていなかった

私は、治療薬のコンサータを飲むようになってから、ずいぶんと忘れ物は減りました。だからこそ、油断があったのかもしれません。

鞄置き忘れ事件は、朝の出勤途中に発生しました。私は毎朝コンサータ錠27mgと、ストラテラカプセル40mgを飲んでいます。鞄を置き忘れたのは、薬を飲んでから20分後…つまり、コンサータが十分に脳に作用していなかったのかもしれません。

コンサータがちゃんと効いていなければ、やはり以前の自分のように忘れ物をしてしまう…。改めて自分は、脳に障害があるのだなと思いました。

朝の忙しい時間はバタバタしたり、一番忘れ物をしやすい時間です。朝こそ、しっかりとコンサータが効いてほしいのに…。

 

ミスをするたびに傷つく自分

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「そんな失敗誰でもあるよ」「無事に鞄が戻ってきたんだから良かったじゃない」「そんなことで泣かなくても…」と周囲から声をかけられました。

しかし、鞄が戻ってきても私の心は落ち込んだまま。泣きそうな気持ちで1日を終えました。

ADHDは行動の問題だけでなく、感情の問題も引き起こします。感情に振り回される、些細な事でパニックになってしまう、不安な気持ちになる…。

ミスや失敗を繰り返すたびに「またやってしまうだろう」「いつかもっと酷い失敗をするんじゃないか」と不安になり、自分を責め、自尊心がどんどん低くなっていきます。

短期記憶は常に玉突き事故を起こしているのに、失敗したエピソードはずっと頭の中に張り付いて離れません。

その日のアルバイト中も、朝の失敗のことばかり考えてしまい、作業に集中できませんでした。その結果、アルバイトの作業でもいつもよりミスをしてしまう悪循環に陥りました。

 

 

自分を責めないことの難しさ

朝の失敗は、出勤した後は忘れて、仕事に集中しないといけない。家に帰ってからまた対策を考えれば良い。鞄が無事に戻ってきたんだから感謝しないといけない。

そう、必要以上に自分を責めたり、悲願的になる必要はない。頭では分かっていても、感情がコントロールできませんでした。

こうしてブログ記事にして、ひとつひとつ振り返ることで、ようやく冷静に分析ができました。ADHDで一番問題なのは、症状が原因でうつ病や適応障害などの二次障害を起こしてしまうことです。

「自分を責めない」ことは、「ADHDの自分」と付き合っていく上で、一番大事なことがもしれません。

今後の対策!

鞄を置き忘れないために、今後の対策を考えてみました。

 

①家を出る30分前にコンサータを飲む

十分に作用するまで、感覚的に1時間はかかります。家を出る1時間前が理想です。しかし、朝ごはんを食べて、30分経って薬を飲んで、それからまた1時間待たないといけない…そんなに早起きできません。

でもせめて30分前にはコンサータをしっかり飲んで、家を出る!

 

②鞄を手放すときは、気付く場所に置く

今回鞄を置き忘れてしまったのは、レインコートに着替えるためにリュックサックをベンチに置いたからです。例えば、自転車のタイヤに寄りかかるようにしてリュックサックを置いていれば、自転車に乗る時に必ずリュックサックに気付くはずです。

 

「必ず目にするように、あえて邪魔な場所に荷物を置く」というライフハックです。

 

とりあえずこの2つに気を付けて、明日からまたアルバイト頑張ります。家を出てからが出勤!家に無事帰るまでが仕事!

毎日が戦いみたいで疲れますが、仕方ないですね。