ADHDのラスカルの手帳

20代でADHD(注意欠如多動症/注意欠陥多動性障害)と診断/社会不安障害(対人恐怖症)/アルバイター

#ADHD版名作劇場 「もしも桃太郎のおばあさんがADHD(注意欠陥・多動性障害)だったら」

日本昔話の桃太郎のおばあさんがADHDだったら…という創作ネタ。何番煎じかは分からない。は長い上に読みにくい。

 

前書き

・おばあさんのキャラクターはブログ主の症状を元にしてます。注意欠陥・多動性障害/多動症の症状には個人差があります。

 

桃太郎

 

 むかし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ芝刈りに行きましたが、おばあさんはまだ寝ています。

おばあさんは、10時になってようやく目を覚ましました。

「今日こそは、川に洗濯へ行かないと。着る服がなくなってしまうわ」

山積みになった洗濯物を見ながら、おばあさんはため息をつきました。洗濯はおばあさんの仕事でしたが、「明日やろう」と先延ばしにして、かれこれ1週間もため込んでいたのでした。

「まだ時間はあるわ。ご飯を食べてから川に洗濯に行きましょう。」

おばあさんは遅めの朝ごはんを食べました。おにぎりを食べながら、昨日読んだ本のことを思い出しました。昨日は寝る前に読みかけた本が面白くて、つい夜ふかしをしてしまったのでした。

「あの本の続きはどうだったかしら」

おばあさんは気になって仕方ありません。枕元に置いた本を手に取り、おにぎりを食べながら本を読み始めました。

本を読み終わり満足すると、とっくに昼を過ぎていました。日が暮れる前に洗濯に行かなくてはいけません。

おばあさんは洗濯物を袋につめると、あわてて家を出ました。

 

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 川についたおばあさんは、さっそく洗濯を始めました。あれほど面倒だったのに、いざはじめると気分がよくなり、歌を歌いながら洗濯をはじめました。 

おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。

巨大な桃は「ドンブラコ、ドンブラコ」という大きな音を立てて、おばあさんの目の前を流れていきます。

しかし、洗濯に没頭していたおばあさんは全く気が付きませんでした。桃はそのまま通り過ぎていきました。

 

 日が暮れかけたころ、ようやく洗濯が終わりました。

 「家に帰って干さないと。その前に一休みしよう。」

おばあさんは川沿いの土手に座り込んで、ぼんやり空を眺めました。おばあさんは子供の頃から、空を眺めるのが好きでした。

雲を眺めていたら、まるで桃のような形に見えてきました。桃はおじいさんの大好物でした。初夏になり、桃が美味しい季節です。

おばあさんは、おじいさんのために桃を買って帰ることにしました。

果物屋さんは日が暮れる前に店じまいをしてしまいます。おばあさんはすぐに果物屋さんに向かって走り出しました。そして1ダースの桃を買って帰りました。

 

 

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 家に帰ったおばあさんは、冷蔵庫で桃を冷やし、急いで夕食を作り始めました。何とか作り終えたころ、おじいさんが山から帰ってきました。

「おかえりなさい。おいしい桃を買ってきたよ。」

おばあさんはさっそく桃をおじいさんに見せました。

『また無駄遣いをして。お米も買わないといけないし、医者にお金も払わないといけない。お金は残っているのか。』

おばあさんはお金がいくら残っているのか分かりませんでした。財布の中を開けて確かめると、銭がわずかしか入っていませんでした。

『部屋も散らかってるし、君は1日中何をしているんだ』

あきれ果てたおじいさんは、桃を食べずにお風呂に入ってしまいました。おばあさんはおじいさんの着替えを用意しようとしましたが、服が全くありません。

「いけない。洗濯した服を川に忘れてきてしまったわ。」

おばあさんは慌てて家を飛び出しました。

 

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 川に到着すると、生乾きになった洗濯物が置かれたままになっていました。

「どうしてこんな大きな荷物を忘れてしまったんだろう。」

おばあさんの物忘れは認知症ではありません。子供のころからのものでした。

「せっかく頑張って洗ったのに、洗いなおさないといけないわ。何をやっても失敗してしまう。」

おばあさんは涙を浮かべながら、服を洗い直しました。洗濯をしながら、おばあさんは今までの人生を振り返りました。

「どうして私はこんな人間なんだろう。」

おばあさんは涙が止まらなくなりました。

 その時でした。ドンブラコ、ドンブラコと、おばあさんの前を大きな桃が流れてきました。桃の中から、かすかに赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。

しかし、悲しみにくれるおばあさんにとっては、そんなことはどうでも良いことでした。

「私もあの桃のように、流されてどこか遠くへ行きたいわ。」

流れていく桃をぼんやりと眺めながら、おばあさんはふと思うのでした。

 

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