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ADHDのラスカルの手帳

四国在/20代でADHD(注意欠如多動症/注意欠陥多動性障害)と診断/コンサータ・ストラテラ/うつ/社会不安/アルバイター/ クラウドワーカー/生きるための記録/

ADHDの治療薬について色々とまとめた話。過去のリタリン事件、日本のADHD治療の歴史とか。

 

ADHDと診断された後、薬物治療を受けています。治療経過や副作用や効果など自分が感じたことを振り返りたいと思うのですが、その前に「そもそもADHDの治療薬とは」という自分でもよく分かってなかった事をまとめてみました。

日本で使用されているADHD治療は?

2015年3月現在、日本でADHD(注意欠陥多動性障害)の治療薬として処方されている薬は2つのみです

 

①コンサータ(メチルフェニデート塩酸塩徐放錠)②ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩) コンサータ、ストラテラは商品名です。製薬会社が薬を販売し、日本の医療機関で処方され、患者の手元に届くには、国の認可が必要です。これを得るまでが大変。コンサータやストラテラが、成人用の治療薬として承認されたのも、数年前の事です。

 なぜADHDに薬が効くのか

はっきりとよく分かってません。

そもそもADHDの原因がはっきり解明されていないからです。しかし、原因のひとつとして脳内伝達物質(ドパミンやノルアドレナリン)の不足によって、不注意や多動などのADHDの症状が引き起こされていると考えられています。

薬により、脳内のドパミンやノルアドレナリンの濃度が上昇することで、症状改善に効果があるとされています。

メチルフェニデートとは?薬の承認を遅らせたリタリン事件

ネット上やオークションサイトでの取引(薬価の30倍)、医師がカルテ改ざんで不正入手、大量内服で幻覚妄想を起こし男性が殺人事件…リタリン乱用に関連して検挙された事例は沢山あります(こちらのサイト様の下記ページに詳しく掲載されています→リタリン乱用)

かつて、日本では1985年に承認された「リタリン」という薬がうつ病の患者に使用されていました。

リタリンはメチルフェニデート塩酸錠で、コンサータと主成分(メチルフェニデート)は同じです。中枢神経刺激薬で、大脳や脳幹などの中枢神経にはたらきかけ、ドーパミンやノルアドレナリンの濃度を上昇させ、覚醒作用を持ちます。2002年頃から、リタリンの乱用や依存が社会的問題となりました。

そして2007年10月、クリニックの院長が、医師免許を持たない事務員にリタリンを処方させてたとして逮捕されました。この事件がきっかけで、リタリンの適応が「ナルコプレシー」のみとなり、処方が大きく規制されました。

その頃日本では、国内初のADHD治療薬として「コンサータ」が承認されかけていました。既に海外66カ国で使用されており、安全性も確認されました。しかし「リタリン」と同じメチルフェデニートが主成分の「コンサータ」も危険性があるとされ、承認が見送りになりました。

  コンサータとストラテラが成人のADHD患者に承認されるまで

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2007年12月:【コンサータ】国内初のADHD治療薬として日本で発売開始。18未満に限定。

2009年6月【ストラテラ】小児のADHD治療薬として国内で2番目に発売開始。18歳未満に限定

2010年6月【ストラテラ】小児期から内服している患者の継続利用に限り、18歳以上の患者への処方が承認

2011年8月:【コンサータ】小児期から内服している患者の継続利用に限り、18歳以上の患者への処方が承認

2012年8月:【ストラテラ】成人期のADHDへの適応が追加承認

2012年9月:【ストラテラ】カプセルが飲みにくい患者用に内用液0.4%が承認

2013年12月:【コンサータ】成人期の患者への18mg、同27mgの処方が承認。36mgが承認されたのは更に9ヶ月後のこと。

現在、コンサータの流通管理は厳しくなっており、コンサータ錠適正流通管理委員会に登録された医師、認定された医療機関・薬局しか処方ができません。

 

日本ではADHDは子どもの障害とされてきた歴史が長く、成人への薬物療法の承認がされたのも最近のことです。ようやく広まりつつあります。 

コンサータとリタリンの違い 

コンサータもリタリンも、メチルフェニデートを成分に含みますが、効き方が異なります。コンサータは1日1回、朝内服することで効果が12時間継続する長時間作用型の徐放製剤です。即効性があるリタリンに比べ、血中濃度上昇の変動が比較的少ないので、リタリンのように依存や乱用を起こしにくいとされています。

  ストラテラ(アトモキセチン塩酸塩)

コンサータに次いで、ADHDの治療薬として国内2番目に認可された薬です。ノルアドレナリンとドパミンの再取り込みを阻害することで、脳内の神経伝達物質の濃度を上昇させる作用があります。コンサータやリタリンとは違い、メチルフェニデートを含みません。非中枢神経刺激薬になるので、比較的依存や乱用の危険性も少なく、副作用も起こりにくいとされています。そのためコンサータのように厳しい流通管理もありません。ちょっと見たことのないような色のカプセルで驚きます。 

 

薬物治療、日本と海外の違い

日本でストラテラとコンサータが成人適応される随分前から、海外では認可されていました。アメリカなどでは「アデロール」というアンフェタミン成分を含む薬が使用されていますが、日本だと覚せい剤扱いで逮捕されます。

有名な話だとリンジー・ローハンがアデロールの依存を告白したりしました。乱用が社会的に増えることで、本当に薬を必要として、適切に使用している人も規制されてしまったら困りますね。

※ストラテラのジェネリックのアクセプタ 

現在日本で開発の薬-ダソトラリン

あまり知られてませんが、ADHDの新薬は治験として試されています。時々、病院などが治験参加者募集を出していたりします。大日本住友製薬がアメリカの会社と新薬開発を進めているのがダソトラリンです。

ノルエピネフリン・ドーパミン再取り込み阻害薬(DNRI) という種類の薬。DNRIは抗うつ剤や禁煙薬として海外では使用されています。ダソトラリンは治験で成人のADHDへの効果が認められており、現在は小児への治験を進め、17年にアメリカで、2018年に日本で販売化する計画だそうです。